日本脱出計画3

 Twitterを見ていると、この日本という国も捨てたものじゃないな、という感覚にとらわれる。僕個人から見て、だけれど、本当に真っ当な人が数多くいらっしゃる。いや、数多くとは書いたが全国で見ると少数派なのかもしれない。僕の周りを見ても少数に見える。Twitterにこんなことが書かれていたよなどと言っても家族の反応は今ひとつ。民主主義の危機なんだけど、と言ってもピンときてはいない。おそらく全国レベルでもそんな危機感は希薄なのだろう。気がついた時には人類が血の出るような思いで獲得した人権をいともあっさりと奪われるとも知らず。日本を脱出したい理由。改悪されたロクでもない憲法のもとで日本人をやるのがもうごめんだ、というのもあるが、それよりも今の日本人のもつ精神性と僕はそりが合わないようなのだ。こちらのほうが脱出理由のメインテーマかもしれない。

 それにしても日本の凋落ぶりはすごいものがある。今頃何を言ってるのかとよくご存知の方からはお叱り、嘲笑を投げかけられそうだけれどご批判は甘んじて受けよう。職業柄それなりに時事についてはアンテナを張っていたつもりだが、その凋落の度合いがこれほどとは思わなかった。一体どこを見ていたんだ僕は、というところだ。確かに民主主義が危機に瀕していることはある程度掴んでいたので授業でも折りに触れ伝えていたのだが、事態はもっと深刻であったのか。2年ほど前に始めたTwitterが今では重要な情報源だ。フェイクニュースや誹謗中傷に使われる、という負の側面もよく聞こえてくるが、僕にとっては知らないことを多々教えてくれる知識の宝庫だ。いろいろと教えてもらった。新聞ではもはや代わりができないところまで来ている。

 もはやこの国は先進国だったのは今は昔、発展途上国というよりは後進国なのかもしれない。だとすればそんな瀕死の国を置き去りにしてお前は逃げ出すのか、放り出すのかと言われそう。家族も教え子もいるのに、と。今こそ立ち上がり、日本をよき方向へ軌道修正すべきだ、と。その通りかもしれない。

 しかし、先ほども書いたようにこのような日本になってしまった原因はどこにあるのか。単に政治が悪い、だけではないだろう。極端な人々は別としてもあちらこちらで「フツーの人」の悪意をよく見かけてしまう。「よい人」ばかりの世の中も気持ち悪いだろうが、心が萎える行為がはびこっている気がするのは僕だけだろうか。僕自身そんなに「よい人」でもないが、コロナ禍の最前線で働いている人への嫌がらせは少なくともしない。「私は選挙などに興味はないので行ったことがない」と公言するタレントを信用しない。公文書の改竄をして素知らぬ顔をして人を死に追いやることはしない。それを調べるべき職務があるのに知らん顔はしない。難民としてこの国で生きていこうとしている人を、人間としての扱いすらせず死に追いやるようなことをしない。そのような人々を野放しにしてきた国民性の未来を僕は信じることができない。この政治状況下で内閣を40%もの人が支持する国には住みたくない。でも僕の日本脱出計画は間違いなく頓挫する。どうすればよいのだろうか。